日本が国際化を果たせているかと問われたら、皆さんはどうお答えになりますか。

世界屈指の貿易大国でもある日本は、経済的な取引においては国際化を成していると言えるかもしれません。
またここ十数年で日本を訪れ働く人たちは何倍にも増えていますし、政府は観光産業にも力を入れているため
コロナウイルスという問題はありつつも今後は外国人の往来が更に盛んになるでしょう。

しかし言葉や文化の壁はまだまだ大きい上に日本人が外国人に持つイメージや知識はアップデートされておらず、一部に差別的な意識があるのも事実です。特に外国人の雇用に関しては「労働力を確保するための外国人」という考え方がまだまだ根強く、雇用条件も良くないことが見受けられます。何より、彼らがどのような環境で育ち、何を考え、どのようなことを求めているかといったことを知らずに雇い入れているケースも目立ちます。

これではいくら貿易収支で大きな利益が出ていようとも、また観光客が増えようとも「国際化」を果たしたとは言えないでしょう。少子高齢化により人手が不足し外国人材に頼らないといけないという現実がある中でまだ自分たちが特別だと思っているとすれば、近い将来に日本で働きたいと思う外国人は減少の一途を辿ることになります。

もちろん、日本人だけの問題ではありません。日本で働こうとする外国人も準備が不足していたり、一部が不法就労やその他犯罪行為に走っている実態もあります。このようなことが更に日本人が外国人に持つイメージを悪化させている原因でもあるわけです。

私たちIMSは日本企業（日本人）に対して、また海外人材に対して双方向に支援を行うことでそれらの悪循環を断ち切り、これからの日本社会が真の国際化実現に寄与することを目的にしています。また真の国際化とはすなわち、お互いを理解することで心のグローバル化を実現し持続可能な社会を創造することでもあります。

IMSはその為に様々なサービスの提供や支援をすることで、目的の実現に尽力したい所存です。

2022年3月17日
一般財団法人多文化相互支援国際協会
代表理事　池田 敏美